日記(2)

しばらくするとマイクロコンピュータを取り扱うショップが増えてきました。秋葉原の電気館にあるショップは、ほとんど販売を始めたのではないかと思います。
次の年になると、インテル社、モトローラー社などから販売されはじめた1ボードマイコンがショップの店頭に並ぶようになりました。CPU1個だけのパッケージから、ボード上にCPUやメモリー、表示用の8桁セグメントディスプレイ、8085などの入出力用LSI、16進数キーボードなどを乗せた、本当に基本的なコンピュータと呼べる仕組みのものです。
私が勤務していたオーディオメーカーも、それまでのアナログだけの時代からデジタル技術を利用した商品の開発を企画している時でしたので「デジタルとは何ぞや」ということで、盛んに社内講習会が開かれはじめた時期でもあました。
私にとってデジタルオーディオと呼ばれるものを最初に耳にしたのは、デジタル技術を活用したソニーのPCMプロセッサー(多分PCM-1だったと思います)経由で聞くクラシックでした。
その時のオーケストラは(これも多分ですがカラヤン指揮のウィーンフィルではなかったかと思います)いずれにせよ、そのオーケストラの音は大変衝撃的で背筋が凍る想いがしました。それまで普段聞いているアナログレコードの音と違って、まったくノイズが無くクリアなのです。
本当にデジタル技術を勉強しなければ、オーディオの世界では「置いて行かれる!」という感じがしました。
手っ取り早く勉強するにはマイコンを購入するのが1番早そうだと思いましたが、いかんせん値段が高いので購入するには、それなりの決心がいりました。

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